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メインテートによる動脈硬化の改善と頭蓋内出血の予防

メインテートの有効成分はビソプロロールという名前で、β受容体阻害薬という分類に属する高血圧症治療薬です。β受容体とは交感神経系の神経終末に存在する神経伝達物質ノルアドレナリンの受容体で、β1、β2、β3と3つのサブタイプが存在します。β3受容体は膀胱平滑筋に存在するだけなので、血圧に影響するものではありません。β1は心臓、β2は血管平滑筋に存在するので血圧に影響する受容体です。β1受容体を刺激すると心機能が増強し、β2受容体を刺激すると血管平滑筋が弛緩し血管が拡張します。メインテートはβ1受容体を選択的に遮断する薬です。すると心臓のポンプ機能は抑制されて血圧は低下します。メインテートはβ2受容体をほぼ遮断しないためβ2受容体遮断による血管収縮は起こすことはありません。
こうしてメインテートは動脈にかかる抵抗を軽減しているため動脈硬化の改善効果があります。ただ動脈硬化の原因としては高血圧以外に糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病もあるため、糖尿病、脂質異常症の方はその治療も併せて行うことが動脈硬化の改善には理想的です。
またその動脈硬化の改善によって頭蓋内出血も予防することができます。頭蓋内出血は動脈硬化によってもろくなった血管部分から出血することが多く、動脈硬化は頭蓋内の大きな危険因子となっています。ちなみに頭蓋内出血で最終的な発症の引き金となるのは血圧上昇なので、高血圧の方は血圧管理が非常に重要となってきます。
メインテートは他剤との薬物間相互作用がほとんどなく糖尿病、脂質異常症の治療薬との併用も可能なため動脈硬化予防・改善には適した薬です。ただ心不全の方は心機能を低下させて循環不全に陥る可能性があるので、メインテートはあまり向いていない薬でしょう。